歯科保健医療国際協力協議会 JAICOH

代表挨拶 Messase

JAICOH代表挨拶(第六代)

多くの皆様の御助力により第6代会長を拝命いたしました。

初代の村居正雄会長よりは、『先生のJAICOH会長就任ご苦労様です。「おめでとう」と言いたいけれど、先生も自覚されている通り大変な時代です。この時期にJAICOHのリーダーシップをとって頂くことになり、お気の毒ですが、このような時代だからこそ夏目先生のリーダーシップが求められていると思います。これまでの経験を活かして、歯科保健医療国際協力の存在意義を歯科界ならびに社会に向けてアピールしていってください。国際協力に関心を持つ若い世代に、国際協力の意義や喜びを伝えていってください。国際協力を通じて幅広い人生経験を積むことができます。異文化経験を通じて広い視野を持った歯科医師、歯科衛生士に育って欲しいと願っています』との書状を拝受いたしました。

深井穫博元会長には、本会にお誘い頂き、温厚な会の運営を通じて多くのことを学ばせて頂きました。

宮田隆前会長よりは、前例にとらわれずに自身が思うことを行動に起こすこと、また、会員の利便性のため会費の支払い方法などの改善をするようにとのお言葉を賜りました。

私は、18歳の時より日本国内で無歯科医村診療や障害者施設での無償診療や、小学校等でのブラッシング指導等を行う公衆歯科衛生研究会に入会し、学生時代は部長、現在は顧問を務めています。
大学院生の頃より海外で種々の経験をして参りました。これまでの海外への渡航回数は177回に及びます。現在では、NGOの代表の他に一般社団法人日本口腔ケア学会理事長、国際口腔ケア学会理事・事務局長として、海外における国際歯科保健を主導させて頂いています。

村居初代会長のお言葉にもあったように、本会の創設時は日本の経済力が高まり、また、我が国とともに歯科医療分野も周囲より高い評価を得ていく時代でありました。
その後、バブルの崩壊や歯科医師過剰などの変化により本会を取り巻く環境は大きく変化しています。
そのような中で、歯学部の国家試験の難易度が上がり、学生や教員に海外との交流への余裕がなくなり、また日本の経済力の低下に加え、コロナ禍により海外との交流は壊滅的に影響を受けています。
そもそも本会の最近の会員数は低迷しており、会費納入は50名に満たない状況で会費収入は30万円に達していません。また、本会は任意団体であり、公的機関への各種申請や補助金の獲得すら困難です。まずは、国際交流に興味のある方に会員になって頂き、会員の増加を目指しその上で法人化を実現するとともに現在のコロナ感染問題等により渡航できない状況を鑑みて、海外での活動のみでなく国内でも実施できる国際連合の「持続可能な開発目標(SDGs)」の推進や村居初代会長の大切にしておられたよりよい歯科医師や歯科衛生士になるための大学院生・研修医等の若い歯科医師や歯科衛生士、更には医療系の学生へのサポートも並行して行うことも重要でないでしょうか。
その上で、本会の存続のための改革が必要ではないかと考えます。

私たちの歯科保健医療国際協力協議会を存続、そして可能ならば発展させるために、会員諸兄の御指導、御助力を心よりお願い申し上げます。

歯科保健医療国際協力協議会(JAICOH)第六代会長

夏目長門(歯科医師)

2021年8月

JAICOH代表挨拶(第五代)

この度、福岡で開催された2018年のJAICOH学術大会の総会において、第5代会長に推挙されました宮田と申します。JAICOHとの付き合いは長く、本会が設立されてすぐに入会し、カンボジアのスタディ・ツアーなどに参加しました。私の国際医療貢献の道に進むきっかけを作ってくれたのがJAICOHでした。2000年までの村居正雄会長時代はJAICOH自身がプロジェクトを形成し、積極的に海外で活動してきましたが、深井穫博先生が会長になってからはJAICOHの方針を転換し、数ある歯科系NGOを取りまとめる情報発信が活動の中心となりました。この深井先生の方針は、JAICOHのあるべき姿を具象した形になり、その後の会長にも引き継がれ現在に至っています。それを踏まえ、私の会長任期2年の間に、次の事を会の運営の基本として捉え、実践して参りたいと考えています。

 

1.本会は会員数も少なく、また予算もごく小規模です。そんな身の丈に合った活動を心がける事。

2.いわゆる歯科系NGOの相互交流と情報交換の場として、ホームページを含め、本会の本来の目的に適った活動を行う事。

3.歯科系NGOの活動を経済的に補助するシーズプロジェクトを再開する事。これによって歯科系NGOがよりアクティビティーの高いNGOとなるよう支援する事。

4.学生や若手の会員向けの研修会を充実する事。特に年2回の学生向けの研修会を一般会員にも門戸を広げ、より充実した実践的な内容とする事。

 

私はいつもJAICOHの事を貧乏だけど志だけは高い、と言っています。また、自虐的に「今度、年間予算20万円の会長になりました」と話すと皆、一様に驚きます。ここで言う「志の高い」と言うのは自分のためではなく世のため人のために尽くす、という意味です。最近、私たちの生き方を考えさせられる二人の78歳がマスコミに登場し、話題になりましたね。ボクシングの山根明氏とスーパー・ボランティアの尾畠春夫氏です。片や「世界の山根や!」と嘯き、片や寡黙に黙々とボランティア活動に邁進している。この二つの人生のどちらをJAICOHは選びますか?という命題です。国際ボランティアというのは山根型に陥りやすい危険性があります。その国に行けば自分は有名人だとか、その国の偉い人と交流がある、などと吹聴するなど、様々な「権威」に体躯を預ける生き方です。ただ、私が会長の間は徹底的に尾畠氏型で行こうかと思います。黙々と真摯に、権威に阿(おもね)ない、そして、ひたすらその地域の人たちの健康を願い、寄り添ってゆくJAICOHでありたいと思います。ご協力のほどをお願い致します。

歯科保健医療国際協力協議会(JAICOH)第五代会長

宮田隆(歯科医師)

2018年11月

JAICOH代表挨拶(第四代)

歯科保健医療国際協力協議会は、歯科保健医療の国際協力を推進するため、必要な研修及び調査・研究を行いつつ会員の親睦を図り、世界の歯科保健医療の発展向上に寄与することを目的に1990年に創立された会です。

私は、埼玉県川口市で開業する歯科医師ですが、南太平洋医療隊に所属し1998年より主にトンガ王国でボランティア活動を行っています。協議会には2004年から活動の報告と情報を得たいために参加しました.活動は歯科医師の留学の支援に始まり、笑顔を意味するマリマリプログラムと名付けた歯科保健システムを確立しました。国全域のヘルスセンター、幼稚園、小学校で、う蝕の予防と軽減を実現しました。2013年から、世界第2位の肥満国という視点から、JICA(国際協力機構)と共同で「トンガ王国における口腔保健のアプローチから生活習慣を改善するプロジェクトを実施しています。歯周病の初期治療から生活習慣を改善し、トンガ人の肥満、糖尿病、心血管・循環器疾患等の生活習慣病の予防に取り組んでいます。

世界では、2015年までに達成すべきミレニアム開発目標として、自由と平等などが不可欠であるという考えのもと、8つのゴールが掲げられていますが、いまだ多くの国や地域で健康水準や保健医療の発達程度により、健康格差が存在しています。

本協議会には、歯科医療の立場から発展途上国のために、国際協力を行う歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、歯科大学生、大学教員、NGO団体、JICA等で活動している個人、団体等が多く参加しています。

本会では、7月初頭の総会・学術集会と学生研修会、年数回の研修会の開催、年4回のニュースレターの発行により、発展途上国の人々の為に寄与する方々の情報交換の場を提供し、国際協力に関する手法、取り組みについて様々な発表を行っています。

歯科医療従事者が発展途上国に関わるとき、口腔の問題だけでなく全身の健康さらに社会環境の改善を同時に行えるような取り組みが必要とされています。今後、本協議会に様々なジャンルの医療従事者や保健関係者がますます参加してくだされば幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

歯科保健医療国際協力協議会(JAICOH)第四代会長

河村康二(歯科医師)

2014年7月

Message from Chairman of Japan Association of International Cooperation for Oral Health(JAICOH)

Dr. Kohji Kawamura, Ph,D, DDS.

JAICOH is established in 1990 to contribute the improvement of international oral health science through the conduct of research, fieldwork and oral health care. The mutual amity of JAICOH members is also aimed.

I am managing the Kawamura Dental Office at Kawaguchi in Saitama prefecture and member of the South Pacific Medical Team (SPMT), which has been conducting volunteer projects for oral health improvement in the Kingdom of Tonga since 1998. I have joined to JAICOH in 2004 to report the progress of our activity as well as to obtain further information from experts. The activity of SPMT has started as the support project for Tongan dentists who researched in Japanese dental school, then expanded to establish the oral health care system named The MaliMali, ‘smile’ in Tongan, Program in the Kingdom of Tonga. The program involves all of health centers, kindergartens and primary schools in the Kingdom of Tonga now and achieves prevention and reduction of severe dental caries in infants. Also, from 2013, new project for improving adult’s lifestyle approach from oral health in the Kingdom of Tonga with JICA is started, since that country is ranked at second place of corpulent country. The project is providing primary periodontal treatment including improvement of patient’s life style to reduce the case of non-communicable disease such as corpulent, diabetes mellitus, circulatory diseases and so on.

This year is the deadline year of Millennium Development Goals (MDGs) that contained eight representative goals for eradicating extreme poverty and hunger, preventing deadly but treatable disease, and expanding educational opportunities to all children, among other development imperatives, however, there are still regional health disparities due to poverty in the world.

JAICOH is organizes by dentists, dental hygienists, dental technicians, dental students, faculties of university and persons who work in other organizations (e.g., JICA) to provide international cooperative oral health support for developing country.

Annual meeting of JAICOH, which contained students’ meeting as well, is held on the first period of July. And to allow members to exchange information more frequently, several workshops and four bulletins are managed every year.

It has been required that the improvement of general health as well as social environment including infrastructure, when dentists and dental staffs attempt to improve oral health in developing country. It would our great pleasure that a lot new participants will be assembled in JAICOH from many other medical/co-medical fields.

JAICOH代表挨拶(第三代)

私は、時代の要請にともない、1990年の9月に創立されました「歯科の国際保健医療を語る会」の創立のときから微力ではありますが、かかわりを持ってまいりました。

昨今、日本各地から歯科保健の分野で国際協力に関心を持った方々、精力的に地球のあちこちで活動している方々が個人や団体で一定の成果をあげていることの報告を見ることが、珍しくなくなりました。また、いくつかの歯科大学に、国際協力についての分野ができ、歯科医学教育の中に国際協力についての授業が取り入れられるようになって久しくなりました。

過去のJAICOHのニュースレターや総会での、多くの団体や個人の生き生きとした講演、学術大会抄録集の内容や、会員のエネルギッシュな活動が、世界で展開されていることを示しています。日本には、JOCVやJICAでの活動経験のある歯科医師、歯科衛生士のみならず、いろいろなNGOで活動している歯科保健医療関係者がたくさんいます。また、歯科大学の学生が国際協力!に興味を持ち実際に活動をしている方々が存在することに、心強いものを感じます。

今後も歯科保健医療国際協力協議会は、既存の会の役割を遵守しながらも、新たなことに挑戦したいと思っています。

また、多くの歯科医師はもちろんですが、保健活動に興味を持ち地球のいたるところで、人の心をとらえた保健活動を実践していける事業をすでに展開している歯科衛生士、これから活動していこうとしている歯科衛生士や歯科学生、関連の方々にも、気軽に参加していただきたく願っています。

歯科保健医療国際協力協議会(JAICOH)第三代会長

白田千代子(歯科衛生士)

2010年7月